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4.2.2 実験期間及び場所
平成6年8月18日から29日 新潟西港岸壁及び前面海域(信濃川河口)
4.2.3 実験装置
岸壁実験装置の概要を第4図−2に示す。
本実験装置は、視認ユニット架台と称する鉄枠に本システム・従来SITカメラ及びコントラストチャート(被写体)を装備している。コントラストチャートは、カメラから1〜3.5mまで0.5m間隔で移設可能な構造とした。本実験では、コントラストチャートの白黒ストライプを視認することで、得られる画像からコントラスト値を算出して、視認性を定量的に評価する。また、可視光域(480〜640m)で連続して発振波長を変えることができる波長可変レーザー(石川島播磨重工業株式会社製:iLS−UL−50A)を用いて、実験環境に最適なレーザー波長を調査した。

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第4図−2 岸壁実験装置概要

FIG4-2 WHARF TEST APPARATUS

4.2.4 実験事項
コントラストチャート(白黒ストライプチャート)を視認することにより、コントラスト値:Cを次式により算出した。
C =(Imax−Imin)/(Imax+Imin)
本結果から、コントラスト値:Cを算出して、得られる画像の質を定量的に評価した。
4.2.5:結果及び考察
第4図−3に本装置と従来SITカメラとのコントラスト値による視認状況比較を示す。視認性の比較が、コントラスト値により定量的に表わされている。経験からコントラスト値0.1近傍が見える見えないの境と言えよう。これらの差は、照明及びカメラからコントラストチャートまでの懸濁物質による散乱を本システムが効果的に排除しているためであり、濁度が高くなり、視認距離が長くなるに連れ一層顕著に現れる。同一条件下におけるレーザー波長変化によるコントラスト値の変化を測定すると長波長側(赤色領域)の方が高いコントラスト値が得られた。これは、基礎的伝搬特性実験の結果から信濃川河口の懸濁粒子が比較的細かい状態であることを伺わせている。さらに、レーザーパワー変化によるコントラスト値の変化を測定してみると、視認距離が小さい場合は、レーザーパワーによらず得られるコントラスト値はほぼ一定であるが、視認距離が延びるに従いレーザーパワーが大きい方が若干コントラスト値が高くなる傾向が見られた。これはレーザー出力が高い方が、任意距離での到達エネルギーが高いことによっている。

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第4図−3 本システムと従来SITカメラとの比較

FIG4-3 COMPARISON BETWEEN ULVS 。?ONVENTIONAL S.I.T. CAMERA

第4図−4に視認距離・濁度とコントラスト値の測定結果によりフィッティングしたシミュレーション結果を示す。図中のパラメータはコントラスト値で、第4図−3及び第4図−4により目標とした濁度及び視認距離、3ppm,3mの値がほぼ達成出来たと言える。

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図4−4 視認距離・濁度とコントラスト値

FIG4-4 CONTRAST VS DISTANCE/TURBIDITY

5.沈埋函沈設における水中レーザーテレビ
沈埋函沈設に用いる場合の、概要図を第5図−1に示す。操函オペレータは、着地直前から着地まで既設函の仮受けブラケット及び新設函の既設函との相対位置がモニターで確認出来るため安心感を持つことが出来る。また、レーザー発振器、制御盤等は測量室及び指令室に配置し、沈埋函バルクヘッドに取り付けた視

 

 

 

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